そして、男女バディといえばやっぱりこのドラマ。『トリック』('00年ほか テレビ朝日系)の仲間由紀恵演じる自称天才マジシャン・山田奈緒子&阿部寛演じる自称天才物理学者・上田次郎コンビが1位に輝いた。
「淡々かつシュールな2人の掛け合いが面白かった」(埼玉県・41歳・女性)、「小ネタ満載の堤ワールドに阿部さんと仲間さんのきてれつなキャラがハマっていた」(熊本県・55歳・女性)などあの世界観を今でも愛する人は多い。
「男女バディものといえばこのドラマが思い浮かぶ金字塔的作品です。唯一、『トリック』だけがボケとツッコミではなくWボケなんですよ。仲間さんと阿部さんという正統派の美男美女が、どちらもクズキャラを演じたのも画期的。
オカルティックな謎を物理学で解いていくという構造はのちの『ガリレオ』を先取りしていますが、こちらは科学的ではなく手品的なトリックでした。
小ネタを入れながらシュールな世界を展開していくという堤ワールドが花開いた作品でもあります。
『ケイゾク』の中谷さんもそうですけど、堤監督は正統派美人女優をボケ役に仕立てるのがお上手ですよね」(カトリーヌさん)
6位の『アンフェア』('06年 フジテレビ系)や8位の『ストロベリーナイト』('12年 フジテレビ系)のようにダークな世界観のシリアスな刑事ドラマの場合は、クールな女性刑事と熱血な部下という組み合わせになりがち……と、男女バディものの型はある程度できあがりつつある。
「最近は昨年の市役所の税務課を舞台にした『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある〜』や、'22年の公正取引委員会を舞台にした『競争の番人』のようにあまり知られていない職業をドラマ化する際、男女バディで両方の目線を作って描くパターンが多い。仕事自体の説明がしやすくなるんでしょうね。
ただ、男同士や男女バディがこれほどあるのに、女性同士のバディものがほとんどないのは残念です。メインキャストに男性がいないと企画が通りにくいなどいろいろ理由はありそうですが、クズな女2人のバディものとか見てみたいですよね。バカリズムさんは女の本性を描くのがお上手なので、お願いしたいです(笑)」(カトリーヌさん)
面白かった男女バディドラマTOP10
1位 『トリック』('00年ほか テレビ朝日系) 104票
出演/仲間由紀恵、阿部寛
2位 『ガリレオ』('07年ほか フジテレビ系) 89票
出演/福山雅治、柴咲コウ
3位 『リーガル・ハイ』 ('12年ほか フジテレビ系)81票
出演/堺雅人、新垣結衣
4位 『HERO』 ('01年ほか フジテレビ系)72票
出演/木村拓哉、松たか子
5位 『ケイゾク』 ('99年 TBS系)60票
出演/中谷美紀、渡部篤郎
6位 『アンフェア』('06年 フジテレビ系) 52票
出演/篠原涼子、永山瑛太
7位 『時効警察』('06年ほか テレビ朝日系) 45票
出演/オダギリジョー、麻生久美子
8位 『ストロベリーナイト』 43票
('12年 フジテレビ系) 出演/竹内結子、西島秀俊
9位 『ライアーゲーム』('07年ほか フジテレビ系) 39票
出演/戸田恵梨香、松田翔太
10位 『うちの弁護士は手がかかる』('23年 フジテレビ系) 35票
出演/ムロツヨシ、平手友梨奈
取材・文/蒔田陽平