容疑者が搬送された病院は、

「どのような患者さんであっても門前払いなんてしません。診察をしましたが、特定薬剤を“ください”と言うのでそれは断りました。診断のうえで処方する薬剤ですし、患者さんのほうから“この薬剤をください”と指定するケースはまれ。ご本人の意向に沿わなかったため“門前払い”などの表現になったのではないでしょうか」(病院関係者)

 薬は欲しがったものの、病院で騒いだり暴れたりはしなかったようだ。病院の帰り道、静かに怒りを増幅させたのか。

 また、ゴミについては、犯行当日は可燃ゴミの収集日だったが、

「朝8時までにゴミを出す決まり。むしろ朝早くにゴミを出さなければならず非常識でも何でもない。それを知らずに勝手にむしゃくしゃされても困る」(マンション関係者)

 犯行動機は理不尽極まりない八つ当たりだった。

ターゲットは常にゴミ

 最初に火を放ったゴミ集積所も収集ルールは同じ。この犯行現場近くの女性住民は、「私は鎮火後に火事を知ったんですが、誰も気づかず燃え広がったら怖い。蹴飛ばしてやりたいですよ」と憤る。

 内田容疑者は逮捕時、ライターを複数所持していたほか、放火の前科・前歴がある。

「2022年春、台東区の上野公園で花見客用の仮設ゴミ置き場にライターで火をつけて執行猶予付き有罪判決を受けている。このときも“1週間前に救急車を呼んだ際の対応に不満がありイライラしていた”と供述している。それでも懲りず、昨年7月には台東区上野の紳士服店前のゴミ袋に火をつけ、店のシャッターを焦がすなどして逮捕。当初の取り調べに対し“記憶がない”と話した。さらに同年11月には上野公園のゴミ箱の袋に火をつけたとして再び逮捕されたものの、容疑を否認していた」(前出・記者)