被災地を再訪した理由

『皇室の窓』(テレビ東京系)で放送作家を務めるつげのり子さんは、期間をあまり置かずに被災地を再訪されたことについて、次のように分析する。

「東日本大震災の発生後、当時天皇、皇后両陛下だった上皇ご夫妻は週1回、7週連続というペースで被災地を訪問されました。“困難にある人を励ましたい”という強いお気持ちの表れだったのでしょう。そうした姿勢を雅子さまも参考になさっているのだと思います」

 今回、被災地で両陛下を迎えた穴水町商店街で文具店を営む吉村扶佐司さん(76)に話を聞くと、おふたりへの感謝の気持ちがあふれていた。

「おふたりが商店街にいらっしゃると聞いたので、奉迎の列に加わりました。両陛下は、マイクロバスの窓を開け、穏やかな笑顔で手を振ってくださりました。前回、石川県にいらっしゃった際、“穴水には来ないのかな、残念やな”と思っていましたが、今回いらっしゃることになって、大変ありがたかったです。地震から3か月以上がたちますが、直接おふたりの姿を見たとき、被災後初めて地震のことを忘れることができました」

 一方で、ヘリコプターを駆使した日帰りでの弾丸日程は、雅子さまの負担も大きいはずだが、

「日帰りで訪問される背景には被災地に負担をかけたくないという配慮がおありなのだと推察します。その分スケジュールが過密になりますが、それでも両陛下が現地へ赴き、被災された方々に励ましの声をかけられるのは、困難にある人々に寄り添いたいという思いがあるからでしょう。ですから雅子さまは、強い使命感を持って、前々から体調を整え、臨まれているのだと思います」(前出・つげさん)

 皇后として困難にある人に寄り添う姿勢は脈々と受け継がれている。

つげ のり子 愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』など