情に厚い大阪の義理の母に称賛の声が
3位の『あまちゃん』('13年)の天野春子(小泉今日子)も朝ドラ母としては異色キャラ。「破天荒でこれまでの朝ドラの母親にはいなかったキャラで面白かった」(兵庫県・52歳)、「がさつで厳しいが、実は娘を思う気持ちが強い」(青森県・49歳)などのコメントが。母親自身の青春時代が描かれるなど、ヒロイン感の強い母親だった。
「現代が舞台だったというのもありますが、元スケバンの母親は朝ドラ史上初(笑)。小泉さんが醸し出すやさぐれた雰囲気も最高でした。
この作品は祖母・母・娘の3代を描いていて、娘のアキ(能年玲奈)をはさんだ祖母(宮本信子)と母の親子の再生物語でもある。そういう意味ではヒロイン的な立ち位置でもありました」(カトリーヌさん)
2位に入ったのは『ちゅらさん』('01年)の古波蔵勝子(田中好子)。「明るく朗らかで寛容。愛情深くおちゃめな感じが周りを和ませる素敵な母親でした」(千葉県・45歳)、「沖縄のお母さんらしさ全開。おっとりとした感じが田中さんの優しい雰囲気にピッタリ」(埼玉県・56歳)と朝ドラの王道ともいえる大きな愛で家族を支える優しい母親像が多くの支持を得た。
「田中さんは母親役の名女優のイメージがありますが、この時期に母親役にスライドしてきたんですよね。実はゴリさん演じる長男は元彼の子どもだったなど、意外なドラマもあった。家族全員総ボケの中、唯一のツッコミ役で、スーちゃんの柔らかな感じともキャラがよく合っていましたよね」(カトリーヌさん)
そして1位に輝いたのは、まだ記憶にも新しい『ブギウギ』('23年)の花田ツヤ(水川あさみ)だ。いつも番台に座っているしっかり者の大阪のオカン。「大阪弁がカッコよく、いつでも子どもの味方であり続けた」(福岡県・46歳)、「血のつながらない娘を思う母親の本音が胸に響いた」(秋田県・58歳)という意見も多く、実は義理の母だったという設定が生んだドラマに涙した人も多かった。
「病で早世しちゃうんですけど、自分だけがスズ子(趣里)の母親でいたかったと亡くなる前に告白するシーンなど、血がつながっていないゆえの葛藤も描かれており、情に厚い部分だけではなく哀しい母の顔も見事に表現されていました。
水川さんは趣里さんとは7歳差なんですけど、ちゃんと母親に見えた。今後母親役にシフトしていく上でのターニングポイントになった役だと思います」(カトリーヌさん)