遊んでもらえないストレスが異様なかたちで表出
「変わった家庭で、自宅にトイレがあるにもかかわらず、父親と子どもたちはよくアパートの庭先でしょんべんをするんですよ。小学生ぐらいまでだったと思いますが、通りがかった人はびっくりするし、夏はアンモニア臭くってね」(同)
両親は、日常の挨拶も近所付き合いもしようとしなかった。育児方針などがわからないため、近所の住民からは下手に声をかけづらい状況に。
明彦少年(成島容疑者)が寂しそうにしているのを見かねた近所の高齢男性が、孫とのキャッチボールに加わらないかと誘った。
「アキちゃんは、誘えばまず拒まない」(別の住民)
運動神経はよくないが、ふだん両親と遊べないストレスがたまっていたのか、楽しそうにボールを投げた。
遊んでもらえないストレスは異様なかたちで表出するようになる。冒頭で紹介したヨソの母子尾行もそのひとつ。
やがて母子は近所のファミリーレストランに到着した。からかうようにあとをつけてきた明彦少年に対し、
「アキちゃんも一緒に食べる?」
とその母親は声をかけた。
「彼は何も答えず、黙って席について一緒にごはんを食べたそうです。目上の子に対してはつけ回したりできず、自分より幼い子に遠回しにちょっかいを出した」(一家の事情を知る住民)
ただ、少年のころから“逆ギレ”することはあった。
近所の男性からイタズラなどを注意されると、
「バカバカ、バーカ」
と自宅に隠れてから言い返したという。
中学生になると、遊んでくれる友達はさらに減り、成人したころには“ビジュアル系バンド崩れ”に近い格好をするように。黒服に身を包み、地元の駅頭で水商売の呼び込みなどをした。