その2年前、元NHKの生方恵一アナウンサーが都はるみさんを“美空”と言う事件があって、またやったかという空気にもなった。でも加山さんには誰もツッコめなくて、失笑で終わっていましたね」(木村さん)

「爪痕を残そうとするのはアーティストの性」

 お次はやらかし系。『DJ OZMAのバックダンサー裸ボディスーツ事件』(2006年/53票)で、DJ OZMAこと氣志團の綾小路翔のバックダンサーが裸に見える衣装で登場、NHKに苦情が殺到した。「裸かと思った。天下のNHKでとんでもないことをしたのでびっくりした」(北海道・69歳)と大騒動に。

「これは確信犯で、話題づくりのつもりが思った以上に攻撃されたケース。でも爪痕を残そうとするのはアーティストの性。今の時代はなおさらそうで、目立ってなんぼ、話題になろうとみんな必死。今後も怒られない程度に攻める人は出てきそう」(木村さん)

 舞台にシャンパンをぶちまけギターに火を放った吉川晃司大暴れ事件』(1985年/16票)、NHKスタッフを罵倒したあげく勝手に持ち時間を延ばした長渕剛ブチギレ事件』(1990年/14票)も記憶に残るハプニング。この2人に関しては、「当時の吉川晃司らしい」(東京都・56歳)、「長渕ならやりそうだなとしか思わなかった。やったことはガキだけど」(神奈川県・55歳)と納得のコメントが。

「彼らに関してはキャラどおりで、またかという感じ。ただこういうことは今後はまず起きないですね。今のアーティストはもっと賢くて、不満があれば最初から出ないし、出演を断った事実も含めて全部発信してしまうから」(木村さん)

『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)では司会のやらかしにも注目が集まった。『加賀まりこの歌手たちへの暴言』(17票)で、酒井法子に対して「キャバクラに行けば1番になれるわよ」など、まさに怖いもの知らず。「幼心にハラハラドキドキした」(埼玉県・48歳)とのコメントが多数。

「男女問わず毒舌を浴びせ、言いっぱなしで何のフォローもない。今なら炎上案件だけど、当時はそれが面白いとも言われました」(木村さん)

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 暴言事件は系列番組『ヒットスタジオR&N』でも。『ザ・タイマーズFM東京罵倒事件』(1989年/6票)で故・忌野清志郎さんが歌唱中にFM東京を罵倒する言葉を連発。コメントには「本物のロックンローラーは違うなと感じた」(広島県・62歳)との声が上がった。

「今はこういう人はいなくなりました。昔はロックな感じでカッコいいと言われたけど、今は逆。それにアーティストが自分で発信できる時代なので、わざわざ生放送の音楽番組でやる必要性もないですよね」(木村さん)

 アイドル全盛期には今では考えられないアクシデントもあった。その筆頭が『松田聖子暴漢事件』(1983年/21票)。コンサートのステージに男が乱入し、聖子に殴りかかるという大事件だ。『ザ・トップテン』(日本テレビ系)の中継が予定されていたが急きょ中止に。だが事件の模様をカメラは捉えていた。「びっくりして何が起こったのかわけがわからなかった」(埼玉県・56歳)とのコメントがその衝撃を物語る。