自民党は過半数の議席を取れる?

 岸田内閣の支持率が低下の一途をたどっていく中、次の選挙で政権与党となる過半数の議席を確保できるのだろうか。

「自民党と公明党の連立政権で過半数を取れるとは思いません」

 と、話すのは大谷さん。公明党が離れる可能性も示唆する。

「これだけ自民党の人気が低下すると、自民党と組みます、と言えば公明党自身にも票が入らなくなる可能性もある。1つの小選挙区につき公明党票は1万~2万あるといわれており、公明党は自主投票の形をとる可能性も非常に高いです」

 一方、有田さんは支持率が低かった森喜朗元首相時代を振り返る。

「'00年に、森氏が総理を辞めたときの解散選挙時は支持率が16%ほどでした。ですが、選挙をやってもほとんど負けていません。

 一般の世論調査で内閣支持率が下がった、上がったなどと報じていますが、一般社会の世論調査と選挙に行く層は全然異なるんです。自民党の固い支持層や公明党の支持者は選挙に行きますが、世論調査に答える人は選挙に行かないケースも多い。世論調査=投票率ではないんです

 金子さんは「(過半数は)ギリギリだと思っています」とした上で、元自民党議員ならではの見解を示す。

「当選4回の中堅や副大臣・大臣などを経験した人も同期の議員にいますが、今、『地元を回っていると心が折れる』とみんな話しています。安倍派、二階派に関係なく、自民党全体として、お金に関しての問題には特に厳しい目が向けられているんです。後援者から『今回は応援できない』と明確に言われる人も結構、多い。自民党支持者ですら厳しい声をあげている。あとは無党派層の動向次第ですが、政権交代まではいかない微妙なラインになると思っています」

 角谷さんは、

「現状では、選挙をすれば自民党の負けは明白じゃないですか。今年は春闘で一部の企業の給料が上がった。そして6月には4万円の定額減税も行われる。岸田政権からするとそれで国民の懐が温かくなってくれば、政治とカネの問題に対する怒りは収まってくると思った。

 ですが、増税や円安による物価高はそれよりも大きく、あまりにも厳しい。給料が上がっても、それ以上に物価が上がれば国民生活は厳しいまま」 

 と、岸田増税が生んだ国民の怒りを重視。長く続いた自民党一強政治は崩れそう?