秋篠宮さまが成年時に答えたアジアへの関心
国際親善の出発点となったタイ調査旅行から3か月後の11月30日、秋篠宮さまは20歳の成年となった。その直前に初めての記者会見が行われ、次のように答えている。
「夏にタイを訪ねてから、アジアに関心を持つようになりました。日本と文化、生活習慣が違っていて興味深い。アジアの国々を訪れ、さらに深く知りたいと思います」
佳子さまは、まじめな性格でコツコツと努力を積み重ねるタイプだ。昨年のペルー公式訪問で、聴覚に障がいがある子どもたちが通うリマ市の公立ろう学校「ベートーベン初等特別支援学校」を訪れた際には、ペルーで使われている手話を使って挨拶をしたり、子どもたちと交流を深めた。佳子さまは、この日のためにペルー手話の動画を日本に取り寄せ、自宅などでペルー手話の勉強を重ねてきたという。こうした努力が実を結び、ペルーでは多くの人たちの心をつかんで訪問は大成功だった。
「ペルーもそうですし、それから、手話を使った公的な行事ということもお話にありましたけども、日本国内での公的な仕事、そういうものも併せて非常に一所懸命取り組んでいると私は思っています」(昨年11月27日の記者会見)と、秋篠宮さまも佳子さまを高く評価している。
現在、佳子さまはギリシャ公式訪問に向けて、着々と準備を進めているであろう。ファッションセンスが注目されるのもうれしいが、佳子さまがギリシャの人たちをどのように魅了し、友好親善の成果を上げるのか。私は大いに楽しみにしている。
<文/江森敬治>
えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など