気象予報士の本懐とは
気象予報士というと、お天気キャスターというイメージが強いが、
「テレビに出ている人は目立ちますから、そう見えるのかもしれませんが、製造業や教育関係に勤めていたり、気象予報会社で天気予報を作っている人のほうが多いんです。
ただ、この資格を取ったから何か仕事に就ける、といったものではないと思います。資格を取る人の中には、趣味としてお天気が好きな人や、気象についての知識を身につけたいという理由で習得する方も多くいらっしゃいますね」
『ブルーモーメント』では、天気予報は人の命、生活を守るもの、と晴原が気象予報について語っている。千種さんも予報士の存在意義についてこう語る。
「やっぱり人の命を救うところだと思います。例えば、台風や豪雨など、早い段階から情報を発信して、いかに被害をなくすことができるか、危機感を共有できるようにすることが大切だなと」
しかし現実としては、実際に事が起こってからアクションを起こす人も多い。
「発信する側からすると、そこがもどかしいんですよ。こちらは“こういう危険が迫っています”と伝えても、最終的に行動するかを決めるのは情報を受け取ったみなさん。
ただ、行動することでその方だったり、その方の大切な人の命が助かることにつながっていきます。なので、テレビやネットを通して適切に危機感が伝わるように、言葉の表現を日々努力しています」
ここ数十年、日本の気候も激変し、今までの常識では考えられない気象災害が起こっている。明日の天気を伝えるだけではないという、気象予報士の“本懐”をドラマで知る機会になるのかもしれない。