「普通っぽいけど努力してる」あの人が1位に

 いよいよベスト3! ここで『シティーハンター』の主人公、冴羽リョウが登場。実写版映画の大ヒットによって、再び脚光を浴びることになった凄腕スイーパーが、堂々の3位に。

「エッチで可愛い面と、正義感あふれるカッコよさのギャップがいい」(大阪府・60歳)、「軽薄そうに見えて、思慮深く、情に厚い。粋なところもあって最高」(東京都・58歳)など、普段は三枚目キャラの冴羽が、仕事で見せるハードな姿にときめいたという意見。この結果には、かなつさんも納得。

「私も冴羽リョウは大好きです。顔はカッコいいし、身長も高くて、完璧。普段のふざけた姿を見ていると手が届きそうに思えるけど、絶対に届かない存在というのも魅力的」

 2位は『名探偵コナン』から工藤新一がランクイン。同作では近年、安室透の人気がすさまじかったが、やはり連載30年を超える作品の主人公は強かった。

「事件を解決する推理力だけでなく、何か国語もしゃべれるなど、知識の量もすごい」(大阪府・51歳)、「頭脳明晰で、スポーツ万能なところが好き」(埼玉県・42歳)

 など、完全無欠な面を推す声がある一方で、

恋愛には奥手なところがキュート」(埼玉県・40歳)、「どんな事件が起きても、蘭ちゃんを一番に大事にしているところが好き」(千葉県・61歳)と、恋にいちずなところも人気を後押し。

「作品自体の人気がすごいですよね。幅広い世代に受けているし、今年の映画も大ヒットでした。ただ私は、新一はちょっと子どもすぎるなという感じ。大人な男性が好みなので、安室透のほうが好きですね(笑)」

 そして栄えある第1位は、野球漫画の金字塔『タッチ』の主人公、上杉達也。スイーパーや剣士など並み居る強豪を抑え、高校球児がトップに立った。

「いいかげんそうに見えて、ちゃんと努力しているところが好き」(兵庫県・51歳)、「飄々として何を考えているかわからないが、実はとても気の利く優しい人」(東京都・53歳)、「平凡に見えるけど、本当は天才。弟亡き後、南を甲子園に連れて行くために、頑張る姿が泣けた」(東京都・53歳)と、ひたむきな姿に魅力を感じる声が多かった。

「タッちゃんは、すごく普通の男の子なんです。見た目も決してイケメンではないし、スタイルもよくない。でもその普通さが、かえって女子に親近感を抱かせ、恋をさせたのだと思います。弟の遺志を引き継ぎ努力する姿は、好きにならずにいられません」

 いまだに大人女性をキュンキュンさせてくれる、漫画のキャラたち。やっぱり2次元は最高!

大人女性に聞いた「私が恋した少年漫画の登場人物」

1位 上杉達也/『タッチ』(1981年) 112票
2位 工藤新一/『名探偵コナン』(1994年) 87票
3位 冴羽リョウ/『シティーハンター』(1985年) 83票
4位 孫悟空/『ドラゴンボール』(1984年) 66票
5位 桜木花道/『SLAM DUNK』(1990年) 64票
6位 煉獄杏寿郎/『鬼滅の刃』(2016年) 63票
7位 流川楓/『SLAM DUNK』(1990年) 47票
8位 緋村剣心/『るろうに剣心』(1994年) 37票
9位 大空翼/『キャプテン翼』(1981年) 34票
  ケンシロウ/『北斗の拳』(1983年)

※インターネットアンケートサイト「Freeasy」にて4月下旬、全国の40歳以上65歳以下の女性1000人を対象に選択方式で実施

かなつ久美 漫画家。代表作はドラマにもなり多くの女性に支持された『OLヴィジュアル系』。自他共に認める大の犬好きであり、近年は保護犬活動に尽力。著書に『もしボクにしっぽがなかったら』(みなみ出版)など。最新作は『アラフィフヴィジュアル系』(電子書籍)

取材・文/中村未来