配偶者が皇族になるか否か
配偶者が皇族になるか否かについて、「国としてしっかり審議している」と話すのは元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さん。
「男性皇族が結婚する場合、相手の女性は皇族になります。一般の女性を皇族という特別な立場として迎え入れてもいいのかどうかなどを国として決めるために皇室会議が開かれます。逆に、女性皇族が一般男性と結婚して皇籍を離脱される場合、皇室会議は開かれません」
そもそも皇室会議とは、どのような機関なのだろうか。
「男性皇族の結婚相手についての認否だけでなく、皇位継承の順位変更などを合議する機関で、内閣総理大臣や宮内庁長官などが出席しています」(前出・皇室ジャーナリスト、以下同)
制度的な問題以外にも、今回の法案が採用され、配偶者も皇族となった場合、一般男性を皇室に迎え入れるリスクは当然ある。
「女性皇族と結婚したお相手が、例えば小室圭さんのように家族が金銭トラブルを抱えていたなど、国民が看過できず、皇室の尊厳が損なわれるような事柄が発覚しても、すでに男性皇族となっているため、取り返しのつかない状況になることもあり得ます。眞子さんのときは制度上、皇室から出られる方だったため、結婚後は皇室に関する問題は現状起こっていません」
ただ、一般の男性が皇族になれば、皇族費は莫大な金額になりそうだ。
「現行の法律だと、佳子さまと結婚相手の皇族費は、年間で合わせて約2300万円。そのお相手が、佳子さまと同い年の30歳だと仮定した場合、日本人の平均寿命は約80歳前後なので、50年で11億5000万円。これに加えて、独立の生計を営む際の一時金として支払われる2人分の3050万円を合わせると、その総額は約12億円に上ります」
巨額の皇族費を踏まえ、前出の小田部教授は苦言を呈する。
「現在いらっしゃる未婚の女性皇族が全員、女性宮家を創設し、お相手を皇族としてしまえば、それだけ巨額な公費支出を国民に強いることになります。皇族数の増加よりもご公務の再検討、再整理、経費削減の問題が先にあるべきでしょう」
12億円の皇室マネーは現実となるのか。やはり、皇族の結婚は一筋縄ではいかないようだ。