そうした状況も踏まえ、現段階での「小池VS蓮舫」を予測すると、「過去に例のない200万票台の競り合い」(選挙アナリスト)とみる向きが多い。というのも、蓮舫氏は、前回2022年参院選では、改選議席6の東京選挙区で、約67万票の4位当選。その一方で、民主党政権だった2010年参院選東京選挙区では2位の倍以上の約171万票でトップ当選している。このため、「今回、立憲、共産両党に下支えと無党派層の取り込みに成功すれば200万票の大台に手が届く」(同)可能性は十分だ。
これに対し小池氏は、2020年の前回都知事選では366万票超の記録的大勝。初出馬で、自民も含め各党が有力候補を擁立した2016年選挙でも約291万票を獲得、2位の自民支持候補に100万票以上の大差で圧勝している。しかも、最新の世論調査でも都民の5割以上が「小池都政を評価」しており、「どんなに逆風が吹いても、200万票を下回る事態は想定できない」(同)との見方が支配的だ。
過去に例のない「200万票台の大勝負」に
過去の都知事選の「数字的構造」からみても、東京の有権者は約1100万人で、投票率50%と仮定すれば、総投票数は550万。その場合、小池、蓮舫両氏を除く今回予想される候補者の顔ぶれからみて、「その他候補の得票総数は100万票前後」(同)となることが想定される。とすれば、「小池、蓮舫両氏は450万票を取り合うことになり、まさに200万票台の大勝負」(同)となるわけだ。
そこで問題となるのが、小池、蓮舫両氏がそれぞれ抱える「負の要因」の影響。まず、小池氏については前回も大きな話題となった「カイロ大卒」を巡る学歴詐称疑惑。今回も月刊『文藝春秋』が5月号で、元小池氏側近で都民ファーストの事務局も仕切ってきた人物と小池氏のエジプト留学時代の同居人女性の「実名告発」を掲載、疑惑が再燃したが、「その内容は、これまで以上に信憑性が高い」(政治ジャーナリスト)とみられている。