自民党の総裁を経験しながらも、総理大臣になれなかった人物はこれまでに2人いる。自転車事故で頸椎を損傷した谷垣禎一氏と河野太郎デジタル相の父、洋平氏だ。
河野家は4代続く政治家一家で、引退しても洋平氏の影響力はいまだに健在。だが、永田町関係者の間では「河野家は総理大臣になることはできない」との見方が有力だ。
「太郎さんも石破さん同様、総理候補に名前は挙がっていますが、お父さんと比べるとそれほどの資質はない。閣僚経験はあり、大きな政策を担ってきましたが成果が伴っていない。何の実績も残さず、むしろ失敗してきている、理屈だけの人だからです」
河野家で総理に一番近かったのは洋平氏だという。
「衆議院議長を経験し政治家としての理想も持っていた。その理想ゆえに離党して、新党を立ち上げました。条件もそろい、総理になりたいと願い、あと一歩のところでなれない人もいる。歴史のポイントにうまくハマることができなかった政治家たちです」
“女性初”の総理に野心を燃やす小池都知事
中には野心を燃やし続ける人物がいる。最たる存在が小池百合子東京都知事だろう。6月20日告示の都知事選への出馬をまだ表明はしていないが(5月31日時点)、
「総理としての器があるのかは疑問です。閣僚としても初の女性防衛相などを歴任してきた小池さんは『女性初』という代名詞を好み、そうした役職に就けるように政界、党内を渡り歩いてきた」(政治ジャーナリストの角谷浩一氏、以下同)
閣僚や政党代表では小池都知事は満足せず、総理大臣になるべく、知名度を上げるための研究を重ね、セルフプロデュースを続けてきたという。
「テレビ出演や遊説にミニスカートをはいて現れる、名だたる大物政治家との浮名をにおわせるなど話題にも事欠かなかった。これは自分がどう見えるか、どう映るかを研究し、さらには時の権力者と近いところにいると思わせる演出だったとみられます」