目次
Page 1
ー 好演で“優三ロス”続出
Page 2
ー 人気ドラマを観て俳優を志した少年時代
Page 3
ー 父親の“仁義なき教え”

「僕はずっと好きだったんだけどね。トラちゃんが」

 これはNHK朝ドラ『虎に翼』で、伊藤沙莉が演じるヒロイン・寅子に、仲野太賀演じる夫役の優三がシレッと本音を伝えたセリフ。

ドラマの舞台は、結婚することが女性の幸せであるという認識が一般的だった昭和初期。日本で初めて女性裁判官となった三淵嘉子さんがモデルの物語です。男性が中心となって物事を動かす社会で、伊藤さん演じる寅子は、女性の社会進出に向き合い奮闘していきます」(スポーツ紙記者)

 そこで話題となっているのが、弁護士を目指し寅子の家に下宿する佐田優三役を演じていた仲野だ。

「弁護士となった寅子でしたが、未婚女性に向けられる世間の目が冷たい時代だったことで、依頼人から弁護の仕事をことごとく断られます。そこで“社会的地位”を得るために、仲野さん演じる優三と結婚をするのです」(テレビ誌ライター、以下同)

好演で“優三ロス”続出

 独身同士で利害が一致したため……と思いきや、冒頭のとおり優三は密かにヒロインに思いを寄せていた。

「優三は、優しい語り口調で寅子を諭したり、ときには思い悩む背中を見て肯定し続けたり。社会の不条理と闘う寅子を、結婚前から陰になり日向になって支え続けた存在でした。ふたりは結婚して1児に恵まれるも、戦争は激化。優三にも召集令状が届き、出征することに。そして、優三は戦地で亡くなってしまうのです」

 これにSNSでは、

《優三さん悲しいよ》

《涙が止まらない》

《優三さんロスで今日は立ち直れない……》

 など、視聴者からは“優三ロス”の声が続出した。

「優三が出征するシーンでは、仲野さんの演技が光っていました。お互いを心配させないよう、夫婦で変顔をして、努めて笑顔になって別れを告げる場面です。仲野さんが必死に涙をこらえる表情には、言葉はなくとも本当は離れたくないという強い思いが表現されており、視聴者の胸を打ちました