人気ドラマを観て俳優を志した少年時代
ヒロインのモデルとなった三淵さんも、最初に結婚した夫は戦地で亡くなっている。仲野の出番はここまでになるかもしれないが、彼が活躍する場は広がり続けている。
「7月から放送されるフジテレビ系の連続ドラマ『新宿野戦病院』では、仲野さんが小池栄子さんとW主演を務める予定です。10月から舞台『峠の我が家』で主演を務め、11月公開の映画『十一人の賊軍』も、山田孝之さんとのW主演作。さらに、'26年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で主演を務めることが発表されており、まさに今、大ブレイク中なんですよ」(前出・スポーツ紙記者)
任侠ものをテーマにした作品が多いVシネマを主戦場として活躍する俳優の中野英雄の次男として、仲野は東京都杉並区で育った。
「中野さんは20年以上前に引っ越してきて、太賀くんは当時、小学校低学年だったと思います。このあたりに太賀くんと同世代の子どもがいなかったから、よくひとりで壁にボールを当てて遊んでいた姿を覚えていますよ。お兄ちゃんは年が少し離れているから、一緒に遊んでいるのは見たことがなかったですね」
そう話すのは、仲野の実家近くに住む女性だ。転居して、最初はなかなか友人ができなかったのかもしれない。しかし、別の近隣住民の女性は、こう明かす。
「中学生ぐらいになると、スケボーを片手に友人と歩いているのを見かけたことがあります。道でスケボーをしていたのか、近所の人に怒られていたこともありました」
友人もでき、すくすくと育った仲野は、13歳で芸能界入りして俳優デビューを果たす。父親の後を追って─と思いきや、
「仲野さんは、お父さんの演技を見て俳優を志したわけではないんです。過激なシーンも多いVシネを見る機会はほとんどなかったそう。きっかけは、'03年に放送された山田孝之さん主演のドラマ『ウォーターボーイズ』。当初は“シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)がやりたい”と市民プールで練習を始めるも、“なんか違う。本当にやりたいのは俳優だ!”と気がついたと雑誌のインタビューで話しています(笑)」(映画ライター、以下同)