おひげのおじちゃま

57歳の誕生日を迎えられた紀子さまにご挨拶するため、秋篠宮邸を訪問された愛子さま(9月11日・赤坂)
57歳の誕生日を迎えられた紀子さまにご挨拶するため、秋篠宮邸を訪問された愛子さま(9月11日・赤坂)
【写真】学生時代の佳子さま、割れた腹筋が見える衣装でダンスを踊ることも

「秋篠宮家とは幸い、住まいが近くになりましたので、3人で歩いて遊びに行ったりします。また、愛子が赤坂御用地で遊んでいるときに、眞子内親王さまや佳子内親王さまに声をかけていただいて一緒にお遊びしたりしたこともあります。また、初等科への通学の朝、御用地内で、私たちよりも先に私の弟の姿を見つけ、『おひげのおじちゃま』とうれしそうに報告してくれたりすることもありましたし、秋篠宮家のお子さん方とまたお遊びできる機会をとても楽しみにしているようです」

 幼いころの愛子さまは、秋篠宮さまを「おひげのおじちゃま」と呼んでいたとのエピソードが、なんとも微笑ましい。

 現在、全日本ろうあ連盟非常勤嘱託職員の佳子さまは、得意の手話を生かして聴覚に障がいがある人たちと積極的に交流するなど、公的な活動の場で活躍中だ。昨年、南米ペルーを公式訪問中に佳子さまは、聴覚に障がいのある子どもたちが通う、首都リマ市にある唯一の公立ろう学校を訪問して、ペルーで使われている手話を使って挨拶をしたり、子どもたちと交流を深めた。

 20歳の成年皇族となった愛子さまは2022年3月、初めての記者会見で「ボランティアとして被災地で活躍されている方々の様子をテレビなどの報道で目にしまして(略)人の役に立とうと懸命に活動されている姿に非常に感銘を受けました。(略)私自身、災害ボランティアなどのボランティアにも関心を持っております」「盲導犬や聴導犬といった働く動物たちにも学校主催のイベントや動物についてのフォーラムの折などに触れる機会がございまして、動物好きの私といたしましては、心惹かれるものがございます」などと述べている。

「国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たす」ことが皇室の基本である。特に、被災者や障がいのある人といった社会の弱者に寄り添うことがより皇族たちに求められている。その意味でも若い内親王、佳子さま愛子さまが目指すところと重なる。

 これからの2人の活躍が、大いに楽しみだ。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など