配当で資産を増やせる「高配当株」が狙い目

 投資といえば、つみたてNISAやiDeCoによる投資信託の積み立てが人気だが、価上昇の波に乗って資産を増やすには個別への投資に目を向けたい。

「初心者の場合、個別を安く買って高く売るという手法は難しく、成果を得るのも困難です。売買の利益ではなく配当収入を得ることを目的に、『高配当』に投資する手法が望ましいでしょう」

 と、伊藤さんは言う。

 個別を購入して主になると、配当金をもらえることがある。配当金は企業が利益の一部を主に還元するために支払われる。その配当金をより多くもらえるのが高配当で、価に対する年間の配当割合が一般的に4%以上のものを指す。

「銀行に預金したときの金利をはるかに上回る高配当は数多くあります。該当の銘柄を上手に見つけて持ち続ければ、銀行に預けるよりも断然有利な配当収入を継続して得られるのです」

 高配当の一例は、武田薬品工業(配当利回り4.74%)、日産自動車(4.49%)、JT(4.36%)など。

「複数の高配当を100万円分購入して配当利回り4%と仮定した場合、配当収入は年4万円になる。500万円分購入した場合には年20万円になり、5年の配当収入で100万円を貯められる計算です。

 ちなみに通常、配当には約20%の税金を課せられますが、新NISAを活用して個別投資すれば、売買による利益はもちろん配当の受け取りも非課税となるので税金はとられません」

 もし、銀行預金の利息で100万円を築こうとしたらどうか。5年のスピードでは到底不可能だ。メガバンクの定期預金の金利は上昇傾向にあるものの、1年もので0.025%。100万円を1年間預けても、250円の利息しか受け取れない。