梨園妻の“序列”

 しかし、彼女は音を上げるどころか日々努力を重ねていった。“おかみさん”の一人はこう語る。

「正直言って、紀香さんに歌舞伎役者の妻は絶対無理だろうと思っていました。冷たい目で見る人も多かったと思います。しかし、彼女は焦らず時間をかけ、歌舞伎役者の妻として必要な条件をクリアして、今では非の打ちどころのないおかみになったと思います。その務めを立派に果たしています」

 また別のおかみさんは、

「紀香さんはそもそも歌舞伎に縁もゆかりもなく、知人もおらず、言葉も話せないまま外国に来てしまったようなもの。頼れるのは夫だけという中で、必死に勉強していました。おかみの仕事は煩雑で、目に見えていないところの挨拶回りや事務作業も大変ですが、彼女は一生懸命やっています。歌舞伎役者の妻が芸能活動をすることにいい顔をしない人は多いですが、紀香さんはおかみさんの仕事もしっかりやっているので、非難する人はいませんし、むしろファンも多いです」

 結婚して6年、紀香は誰もが認める“梨園の妻”となったようだ。一方、最近は話題に上がることが多い三田寛子

歌舞伎役者には名跡によって『格』があるのはよく知られたことですが、実は梨園妻にも“序列”がある。そして、それは夫の格に準じます。三田さんは名門『成駒屋』のトップに立つ中村芝翫さんの妻で、キャリアもあります。“梨園妻の次代のドン”と報じられたこともありました。芝翫さんの不倫報道が出たときは見事なマスコミ対応を見せ、また3人の息子さんを歌舞伎役者として立派に育て上げ、梨園妻の鑑と言われることも」(前出・スポーツ紙記者)

 そんな三田の天下が続くと思われたが、ここにきて暗雲が立ち込めている。