仕分けの女王・蓮舫氏
「ハイレグ水着でクラリオンガールとして芸能界入りし、キャスターとしても活躍してきた人ですから、やはり光の当たる場所がお好きなんでしょう。誰かを痛烈に批判する瞬間が、一番輝いていますよ。一方で、テレビカメラが入っていないと、どこかやる気がないように見えることも。根っからのパフォーマーなんですよ」(同・議員)
そんな蓮舫氏で思い出すのは、'09年の民主党政権で行った、国の予算の使い道を見直す事業仕分けの“仕分け人”としての姿だろう。
「2位じゃダメなんですか」
と発言し、“仕分けの女王”と話題になった。当時の“仕分け”は、効果があったのだろうか。行政学が専門である龍谷大学の南島和久教授に話を聞いた。
「民主党政権で行われた事業仕分けは、行政事業レビューと名前を変えて現在も行われています。意味がなければ廃止されていたはずなので、その有効性が認められたのだと思っています」
民主党は、事業仕分けで3兆円の削減目標を掲げたが、実際に達成できたのは、'10年度予算の概算要求だった約95兆円に対し1兆3000億円ほどだった。
「だいたい財政の1~1.5%が仕分けの相場とされていますから、適正規模とはいえるでしょう。ただ、削減効果はあったのかと問われたら、そこまで大きな効果はないというのも事実です。
廃止されたさまざまな事業もありますが、意義があってやめられない事業もあって、自民党政権になってから復活した事業も多数あります」(同・南島教授、以下同)
結局のところ、民主党が行った“仕分け”は意味がなかったのか。
「蓮舫さんの“2位じゃダメ”発言で注目を集めたスーパーコンピューター『京』は、結果として運用を終了しました。しかし、その後に完成した『富岳』が、'20年に世界の性能ランキングにおいて4部門で1位を獲得しています。このように厳しく緊張感のある議論で内容の見直しを行ったため、いい結果を生んだ事業もたくさんあります」