心の底から楽しそうな笑顔の写真の向かい側には、いつも現夫がいるという
心の底から楽しそうな笑顔の写真の向かい側には、いつも現夫がいるという
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 ただ、別れた夫には「感謝しかない」と熊谷さん。

最後の3か月はツラかったけど、50歳を過ぎて人生のターニングポイントを迎えたときに、18歳年下の人と生きられたことで自分の感性が磨かれたし、いちばんは浜松に連れてきてもらって、ここに縁ができたことに感謝しているんです

シングルに戻ってからは「モテ期」が到来

 離婚後も1人で残って浜松で暮らし続けた。

「そもそも浜松への移住は、コロナ禍で仕事がなくなって東京に住み続けることが不安になったから。それに、隣近所で協力して生活できるところに住みたいという気持ちもあって。住んでみたら最高なところで、海も山も近いし、東京へもすぐに出られるし、こんなにいいところないなって。離婚後は女友達も一気に増えましたしね」

 シングルに戻ってからは「モテ期」が到来したと語っていた熊谷さん。

離婚した女性って皆さんモテるんじゃないですかね? ただ私自身は再々婚する気は一切なくって。だから、友人夫婦から、同じ浜松の方ということで今の夫を紹介されたときも、私は全然乗り気じゃなかったんです」

 友人夫婦の計らいで、月1回程度のダブルデートを1年ほど重ねる中で、徐々に気になる存在へと変わっていく。

それまでは誰か男性と2人きりになるのを避けていたんですけど、たまたま彼と2人で30分くらい話す機会があって、そのときに4人のときと違うギャップを感じたんです。見かけは穏やかなんですけど、実は冒険野郎でワイルドな一面があることを知って素敵だなと感じたんです

 数か月の交際を経て“結婚”という道を選んだ。

「子どものころから、好きになった人とは結婚するのが当たり前って思ってきたので。それは64歳になっても変わらないんです(笑)」

 最終的な決め手は夫の母親の言葉だった。

「彼は8歳年下で初婚。若い人と結婚すれば子どももできた可能性もあるのに、私を選べば子どもが持てない、みたいな話をしたときに、彼のお母さまは“そんなこと気にする必要はないのよ。2人が幸せならそれがいちばんうれしい”と言ってくださって。なんて素敵な方だろうと。このお母さまが笑顔になる人生を送りたいと思ったんです」

 姑とは良好な関係を築いているという。

お母さまのところに彼と私でお昼ごはんを食べに行くんですけど、私だけ残ってついつい16時ごろまで喋り続けちゃう(笑)。夫には“まだいたの? なにをそんなに話すことあるの”ってアキレられるくらい、楽しくて話が尽きないんです

 前回の結婚では、“1年更新の契約結婚”も話題に。

舞台美術家で有名な妹尾河童さんご夫妻から、1年契約にすると毎回新鮮になれるよと教えていただいたことが、結果としてひとり歩きしちゃった感じです。お互いに、緊張感を持って、新鮮でいなきゃみたいな気持ちがあったんですね。今考えると、2人ともアーティストでカッコつけてたのかなって思います