復刊で書かれていた“夢”
実は“かよさん”が『赤と青のガウン』にたどり着く前に読んでいたのが、『テムズとともに』なのだ。
《天皇陛下がまだ親王だったころに書かれた留学記も面白かったです。読了したら彬子女王のものがおすすめに出てきて》
とXに綴っている。『テムズとともに』は'93年に学習院教養新書の1冊として初版が発行され、昨年4月に復刊。版元の紀伊國屋書店の編集担当、有馬さんは復刊について、
「出版されて30年がたち、古書でも価格が高騰して入手困難となっていた中、学習院創立150周年の記念事業の一環として新装・復刊になりました」
『テムズとともに』も当初は1万部で刊行する予定だったというが、予約の申し込みが殺到し、7万部でスタートしたという。
「『赤と青のガウン』が刊行された4月からは非常に動きがいいです」(有馬さん)
6月22日から天皇、皇后両陛下はイギリスを訪問されている。その影響で、本の売り上げも伸びそうだが、
「大きく動けば増刷ということも考えますが、すでに10万部刷っていますので様子を見ながら、という感じですね」(有馬さん)
天皇陛下は今回の復刊の辞で、
《遠くない将来、同じオックスフォード大学で学んだ雅子とともに、イギリスの地を再び訪れることができることを願っている》
と書かれていた。その“夢”が叶い、陛下と雅子さまはイギリス滞在の最終日、28日にそれぞれが留学されたオックスフォード大学のマートン校、ベリオール校を訪ねられるという。
青春を過ごした地を、おふたりはどんな思い出話をしながら歩いたのだろうか─。