高橋といえば、『サラリーマン金太郎』シリーズ('99年〜'04年)、『特命係長 只野仁』シリーズ('03年〜'12年)がやはり代表作。
「そう言ってもらえてうれしいですね。放送が始まった今でも『大岡越前』の主演は、まだ信じられないような感じがしていて、ずっとチャレンジャーのような気持ち。『大岡越前』が一生のうちの3つ目の大きな作品、大きい役になればいいなとは思いますし、もし続けられるものならば頑張りたい。
完成度や自分のやることに期待はしますが、今まで(次回作に)いろいろ期待して悲しい思いをしたこともありますし。だから先のことは考えずに、とにかく今を精いっぱいやっていけたらいいなと思っています」
そもそもは演技なんて考えたこともなかった
叔父は梅宮辰夫さん。子どものころには撮影現場を見学させてもらう機会も。事務所に所属する前から『さすらい刑事旅情編』('90年)などに出演している。
「それはちゃんと俳優デビューする前で、たまたまちょっと出してもらった感じで。そもそもは演技なんて考えたこともなかったし、俳優になりたかったわけでもなかった。歌をやりたかったんですよね。俳優デビューをして、意識にスイッチを入れてからはまだまだ30年くらいなんです」
“まだまだ30年”。その言葉からは謙虚さと前向きさが感じられる。夢でも希望でもなかった俳優業。選んでよかったと思うかと、改めて聞いてみると、
「思っています。僕は最初から俳優ではないし、ものすごく抜きんでてやってきたわけでもない。そんな中であの『大岡越前』をやらせてもらえることは本当にすごいことだと思っています。俳優としての今後ですか?
よく聞かれるんですが、答えに困る。ビジョンは全然ないんです。とにかくその都度、一生懸命やるしかなかった。それが今でも続いているというか(笑)」
その誠実なスタンスは、きっとずっと変わらないー。