幻の“ずんだカルピス”!?
「1960〜1970年代くらいから旅行する人やコンビニなども増え、カルピスは水で薄めて飲む希釈タイプしかなかったので、外で手軽に飲める商品がなく、売り上げが伸び悩みました。
ストレートに飲める商品の開発を始めたのですが、時間がたつと水とカルピスが分離してしまって安定供給が難しかったんです。そこで開発したのが1973年に発売された炭酸飲料『カルピスソーダ』。炭酸だと分離せずに安定したんです。
その後、研究を重ねて1991年に『カルピスウォーター』が誕生。CMには後藤久美子さんや内田有紀さんなど今につながる旬の女優さんにご登場いただきました。発売1年目で2000万ケース以上を販売し大ヒットになりました」
マンゴーやホワイトチョコ味など、さまざまなフレーバーが誕生する中、過去にはこんなボツ商品も。
「私が研究所にいたとき、ご当地カルピスみたいなものを作ろうと思っていたんです。ずんだ餅のテイストを入れた“ずんだカルピス”を開発しようとしましたが、どうやってもおいしくならない(笑)。幻の商品となりました」
ぜひ味わってみたかったが残念……。そんな吉川さんに、105年間愛され続けるカルピスの、新たな楽しみ方を教えてもらった。
「カルピスとビールを1対6で割って飲むとマイルドな味になっておいしいんです。実際に“ダブルカルチャード”というカクテルで飲まれています。ビールは苦手という方でも飲みやすいと思いますし、夏にもぴったりなのでお試しください」