栄えある1位は確かな演技力で支持を集めた

 並み居る2世たちを抑え、1位に輝いたのは、杉咲花(26)。

 父はギタリストの木暮武彦、母は歌手のチエ・カジウラで、子役で芸能界入りしている。

 アンケートには、「どの役にもなりきり、非常に自然に演じられる」(兵庫県・51歳・男性)、「2世だと知らなかった。演技がうまく、彼女が出演している作品は見たくなる」(千葉県・38歳・女性)、「親をすでに超えている」(熊本県・47歳・男性)と、演技のうまさをたたえる声が多くあった。

杉咲さんの演技は、自然でリアル。木村拓哉さんが何を演じてもキムタクのスターオーラを出すのに対し、杉咲さんはドラマの人物としてそこにいる。『アンメット ある脳外科医の日記』(フジテレビ系)で若葉竜也さんと会話をするシーンも本当に自然で、まるで日常生活で話しているよう。でもきちんと演技をしていて、その空気感を出してる。恐るべしという感じ」

 と、カトリーヌさんも大絶賛。アンケートにもあるように、彼女が芸能2世だと知らないという視聴者も多いよう。

彼女に関してはもう親がどうとか関係なく、女優として確立している。これから長くいい女優さんとして活躍しそう」(カトリーヌさん)

 ランキングを振り返ると、七光など、もはや死語。今や2世が芸能界を席巻している感がある。しかしいくら2世といえど、成功するとは限らない。当初はもてはやされても、消えていく人も多い。

成功する人は、親とは違う独自のスタイルがある。演技力や個性があり、個人として評価されている。ただ2世の場合、最初のチャンスをもらえるのは事実。親がそうしなくても、親の周りの人たちから、お子さんどうですか、という話は絶対に出てくるはず。

 デビューのチャンスはあるけれど、その後いかに爪痕を残すかは本人次第ということでしょう」とカトリーヌさん。

 2世にしても芸能界は安泰ではないということか。今後の彼らの活躍に注目したい。

「親を超えそうな」U-302世俳優ランキング総票数(男/女)

1位 杉咲花(26) 268票 (146/122)
2位 新田真剣佑(27) 86票 (50/36)
3位 岡田結実(24) 60票 (40/20)
4位 眞栄田郷敦(24) 52票 (23/29)
5位 石橋静河(29) 50票 (20/30)

カトリーヌあやこ●漫画家&テレビウォッチャー。著書にフィギュアスケートルポ漫画『フィギュアおばかさん』(新書館)など

取材・文/小野寺悦子