「いただいた恩を返せるって幸せ」
アメリカ大陸縦断の旅は、1年2か月かけて達成。その後、ロバのロシナンテと日本国内をヒッチハイクする企画にも挑戦した。
「帰国したばかりの時期は、日本で流行っていた“ポケモン”も知らなかったほど世の中から取り残されていました。ただ、危ない経験を通して大人になれたと思います。番組には感謝しかありません」
'03年にドロンズは解散。それ以降、石本はソロでタレントや俳優としてマルチに活動しながら、'07年には東京で『馬肉屋たけし』をオープンさせている。
「お店の経営は、コロナ禍とかは大変でしたが、旅と一緒で苦しいぶん、やりがいはありますよ。なにより“店”という拠点を持ったことで、共演した人や友人が集まる場所になるんです。今年5月にはヒッチハイク中にペルーでお世話になったご夫婦と、'97年以来の再会ができました」
人の縁と恩のありがたさを学んだ石本。年を重ねるにつれ、お世話になった人にも恩返しできているという。
「先日、舞台で『少年忍者』のヴァサイェガ渉くんと豊田陸人くんと共演して、舞台終わりに彼らに食事をごちそうしたんです。というのも、'11年にTBS系ドラマ『南極大陸』で木村拓哉さんと共演した際、木村さんにごちそうになったり、かわいがってもらったので、木村さんの後輩に恩返しのつもりで。そのことをLINEで木村さんに“お世話になったぶん、後輩さんをお世話しています”と報告したら“当たり前だろ”と(笑)。いただいた恩を返せるって幸せですよ!」
昨年結婚した石本は、ある夢を持っているという。
「もし、子どもができたら自分と同じように国外を旅させていろんな経験をさせたいですね。まぁ、奥さんは大反対しているんですけどね(笑)」
大冒険から28年。石本の旅の経験は、今でも彼の中で息づいている─。