子どもなりの「工夫」

 首をかしげながらも、昔の遊びの話は尽きない。 

キン消し(キン肉マンの消しゴム)はもちろんですけど、メンコも集めてましたね。途中から『キャップ』が流行って。牛乳瓶のフタみたいなやつで、駄菓子屋さんで売ってて、メンコみたいに遊ぶんです。おニャン子クラブとか、アニメキャラとかいろんなのがあって、勝負に勝ったらもらえる。冷静になって考えるとゴミを集めているだけなんですけどね」

 そう、昭和子どもはやたら何かを集めていた。

「僕はビックリマンじゃなくて『ガムラツイスト』『ラーメンばあ』っていうお菓子のシールをめちゃくちゃ集めてました。2重のシールになってて、はがすとキラシールが出てきたりするんです。今持ってたらお宝ですね」

「友達と自転車で神社なんかに集まって、工夫して遊んでいましたね」(ホリさん)イラスト/仲曽良ハミ
「友達と自転車で神社なんかに集まって、工夫して遊んでいましたね」(ホリさん)イラスト/仲曽良ハミ
【写真】ホリが憧れていた80年代のスーパーアイドル

 子どもなりの「工夫」は思わぬ方向の遊びにも……。

「食べられる草とか実とか、蜜とかを探して食べるのに、ものすごいテンションが上がっていましたね。あとは、犬のウンコに爆竹をぶっさして……っていう最低の遊びもしていました(笑)。自分たちでやったのに自分たちで逃げるって意味わからないんですが、子どもなりに工夫して、スリルを楽しんでいたんでしょうね」

 楽しいことのために頭を使い続けてきたことが、ホリさんのエンタメ力のベースになっているのだろう。ここには書ききれないが、キン肉マンや仮面ライダー、ウルトラマンに戦隊ヒーロー、ガンダム、メンコ、カー消し、光GENJIへの憧れ、神社の境内でやっていた手打ち野球、リカちゃん電話……などなど、エピソードはまだまだたくさん! やっぱり来年はまだ、昭和100年なのかも。

ホリ 撮影/近藤陽介
ホリ 撮影/近藤陽介

ホリ 1977年千葉県生まれ。ものまねタレントとして、本人公認である木村拓哉をはじめ、武田鉄矢、出川哲朗、えなりかずきなど多数のレパートリーを持つ。ホリプロコムものまね軍団主宰。ドラクエ世代だがファミコンは友達の家でしかやっておらず「iPhoneにもゲームは入っていません」とのこと。


取材・文/高松孟晋