出版不況が叫ばれる中、『タウンページ』のように紙を廃止して、電子書籍にするなどは考えていないのだろうか?

部数が伸びている時刻表も

「携帯のアプリなどで乗り換え情報などを検索されている方が多いと思いますが、鉄道旅を楽しむという観点から見ると、紙の時刻表のほうがその人の望む乗り換えが探しやすい。例えば、ここの駅で始発に乗りたいという乗り換えは、アプリなどでは検索するのが難しいですが、紙の時刻表なら見つけやすく並んでいます。作る私たちも、そういったことを意識して作っています。

 あと地図も掲載していますので、地図と時刻表を照らし合わせながら、そこから旅の妄想を始められます(笑)

携帯性がウケている『小さな時刻表』
携帯性がウケている『小さな時刻表』
【写真】100年前に創刊した『汽車時間表』の表紙

 また一部の時刻表では、部数が伸びているものもあるという。

B6判に縮小した時刻表です。内容は大きいものとまったく変わらないのですが、価格も安く、青春18きっぷなどで旅行されるとき、持ち運びに便利という利便性がウケているのだと思います

 紙の時刻表ならではの魅力が、利用者の心をつかんでいるのだろう。梶原編集長は、

「100年続いてきたものですから、紙の時刻表として引き続き出していきたいと思っています。使っていただく読者に“やっぱり紙の時刻表はいいよね”と言われるよう、これからも作っていきたいですね」

 利便性では電子書籍に勝てないが、紙の本だからこその魅力もあるのだ。