相葉のみの出演はリスク最小限の絶妙な距離感
これまで『24時間テレビ』と旧ジャニーズ社はWin-Winの関係だった。
『24時間テレビ』としては、ジャニタレをメインパーソナリティーに置くことで、視聴率を稼げて、募金額も増えてウハウハだったはず。一方の旧ジャニーズとしても、イチオシのグループの箔付けになるしお茶の間への浸透度も上げられたわけだ。
しかし、STARTO社はジャニー喜多川氏による性加害問題で大きく揺れており、これ以上会社全体のイメージダウンを避けるため、非常にセンシティブにリブランディングを行うフェーズに入っているはず。
そんな大事な時期に、横領問題で叩かれまくってイメージ最悪の『24時間テレビ』に自社タレントを出演させることは、メリットが薄くリスクばかり高いのは明白。大事な自社のアイドルたちをハイリスク・ローリターンの大型番組に、喜んで差し出すとは考えにくい。
一部報道では、日テレ側は今年もSTARTO社タレントをメインに抜擢したいと考えていたようだが、STARTO社側が難色を示し、現在の形に着地したと伝えられていた。実際の内情は不明だが、充分あり得る話に思える。
STARTO社としては、少なくても今年の『24時間テレビ』には、できれば自社タレントを出したくなかったのではないだろうか。
ただ、日テレとはこれまでのお付き合い、そして、当然これからのお付き合いもある。完全撤退して出演者ゼロにしては、角が立って日テレとの関係が悪化してしまう懸念もあったのだろう。
そこで土曜19時の番組『嗚呼!!みんなの動物園』でMCを務めており、世間的好感度の高い相葉を出演させ、日テレの顔を立てつつ、他の自社タレントは極力出演させないようにしたのだとしたら見事な経営判断だと言える。
相葉を出せば日テレとの良好な関係は保て、会社全体のリスクを最小限に抑えられる絶妙な距離感となっているからである。これはSTARTO社の英断だ。