お得意の群像劇で人気を博した大河ドラマが3位
3位にランクインしたのは、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。三谷にとっては3度目の大河作品。北条義時を主人公に、平安後期から鎌倉初期を描いた。
「歴史情勢や人物の心がこまやかに、時にはシリアスに描かれていて、とても興味深かった」(神奈川県・59歳・女性)と、三谷の十八番である群像劇の魅力が光る演出に多くの支持が集まった。
「序盤はまさに『サザエさん』のようなホームドラマ(笑)。それがどんどん闇落ちしていく流れが見事でした。終盤はけっこう残酷で、三谷作品の中でもブラック要素が強めの作品といえると思います」
実は、今回の読者“裏”アンケートで、「がっかりした三谷ドラマ」の1位に選ばれたのもこの『鎌倉殿~』だった! とはいえその理由が「大泉洋の頼朝が嫌いだったから」(神奈川県・59歳・女性)など、役者冥利に尽きるものであるのも面白い。放送中は「#頼朝嫌い」がSNSのトレンドになるほど視聴者に嫌われていた大泉。いまだに尾を引いているとは、その演技力が逆にあっぱれ!?
第2位は'16年放送の『真田丸』(NHK)。三谷にとっては'04年の『新選組!』に続く2作目の大河作品。堺雅人演じる真田信繁(幸村)を主人公に、三谷らしいユーモアを存分に交えながら戦国の世を描いた。
「真田の策略の描き方が面白く、毎週楽しみに見ていた」(北海道・44歳・男性)
「歴代の大河の中でいちばん面白かった」(埼玉県・67歳・男性)と、数多くの絶賛コメントが寄せられた。
「登場人物がそれぞれ魅力的で配役が素晴らしく、主人公の父親・昌幸を演じた草刈正雄さんも印象的でした。『古畑~』の田村正和さんにも通じますが、三谷さんは渋い二枚目俳優をコミカルに見せるのがとても上手な方だと改めて感じた作品でしたね」
しっかりと史実を描きつつ、大河でありながら存分に笑わせてくれる三谷ワールドに、視聴者がすっかり引き込まれた1年間だった。
「何度も大河で描かれている戦国時代だからこそ、ひときわこの作品の面白さが際立ったように感じます。ディープな歴史ファンらからの高評価も納得の名作でした」