「出張先の会合で地元の特産ワインを“おねだり”。高価なものだとして県職員が受け取りを辞したカニもちゃっかりお持ち帰り。気に入ったものや高価なものは自分のものにする、まさに『いただき知事』なのです」
さる政治ジャーナリストは、兵庫県の斎藤元彦知事のことをそう説明する。
斎藤知事は県職員へのパワハラや企業からの贈答品の受け取り、商工会に圧力をかけ、大量のパーティー券を買わせるなどの疑惑が指摘されている。
トンデモ知事列伝
こうした複数の違法行為を内部告発した元西播磨県民局長は、「死をもって抗議する」などと書き残し、今年7月に死亡。さらに資金還流疑惑がある阪神・オリックスの優勝パレードを担当していた元県民生活部総務課の課長も今年4月に死亡していた。2か月半で幹部職員が2人も自死する異常事態にもかかわらず、斎藤知事は依然として続投する構えだ。
永田町関係者はかねて斎藤知事の悪評を耳にしていた。
「公用車の降車位置が少しずれただけで叱責。あるイベントでは前もって打ち合わせをしていたのに当日になって、衣装の浴衣のデザインや着替え場所が気に食わないなどと言って職員を困らせていたそう。些細なことでも声を荒らげていた」(永田町関係者)
カネ、女性問題にパワハラ、問題発言──。斎藤知事に限らず、これまでも多くの知事が起こしてきたスキャンダルを振り返る──。
猪瀬直樹氏(東京都知事)
2013年に徳洲会グループから現金5000万円の「闇献金」を受け取っていた事実が発覚。
「都議会の委員会で受け取った5000万円を運んだとされるカバンを持ち出し、用意された札束に見立てた箱を自ら詰め込む様子を記憶している人も少なくないでしょう」(前出の政治ジャーナリスト、以下同)
意気揚々と詰め込んだ猪瀬氏だったが、どう頑張っても箱は入らない……。ある都議から「入らないですよね」と指摘されるも、猪瀬氏は「入ります」との一点張り。必死で箱と格闘する姿には方々から失笑が漏れた。どうにか詰め込んだが、今度はファスナーが閉まらない。笑えないコントのようなお粗末さは都民をあきれさせていた。
舛添要一氏(東京都知事)
政治資金の公私混同疑惑が追及されていた、「セコすぎる東京都知事」こと舛添氏。
「高額な海外出張費用が問題になりました。2015年にロンドンとパリを訪れた際の出張費用は、総額5000万円以上。往復200万円以上のファーストクラスを利用して、1泊20万円のスイートルームにも宿泊していたんです」
当然「高すぎる!」との批判が相次いだ。公用車をタクシー代わりに利用していたことも問題に。
「神奈川県湯河原町の別荘を公用車で往復したり、私的なコンサートや野球観戦でも公用車を使用していました」
さらに絵画や版画などの美術品から漫画『クレヨンしんちゃん』のコミックスまで政治資金で購入していたことも明らかに!
「『違法ではないが不適切なおカネの使い方をしていた』としつつ、舛添氏は現在でも『不正はなかった』と弁解しています。内容はどうあれ、税金です。不適切にもほどがあるのは確かです」