現在は子ども向けの活動も

 その後、佐藤は'18年度前期の『半分、青い。』朝ドラにカムバック。ヒロイン永野芽郁の幼少期の担任役を演じた。

「私がヒロインをやったときは、楽しんではいましたが、心の余裕はまったくありませんでした。でも、約20年ぶりの朝ドラでは、当時の自分に思いをはせながら、周りの状況を見る余裕もあって。あと、撮影機材の進化にも感動しっぱなしでした(笑)」

 現在はドラマや映画に出演しながら、創作演劇の“ファシリテーター”としても活動している。

主に子ども向けに行っていて、表現することで楽しさや学びを得てもらうのが目的です。じゃんけん遊びや鬼ごっこから始まり、ジェスチャーゲーム、伝言ゲームとステップアップして、ワンシーンを写真で表現してみたり、何かになりきってみたり、少しずつお芝居を紡いでいきます。セリフや役を与えるのではなく、普段の会話などから、子どもたちに自由に表現してもらうのです」

 そこに参加するのは俳優を目指す子どもたちだけではない。小学校の授業としてワークショップをしたり、さまざまな国籍や年齢の人や、ハンディキャップを持つ人も参加しているという。

「初めて会ったときは目も合わせられなかった子が、少しずつ大きな声で話せるようになったり、主張や提案ができたり、誰かを受け入れることをできるようになったり。そうした子どもたちの成長を間近で感じられることが、すごく幸せです

 現在は小学6年生の娘と小学1年生の娘の母でもある佐藤。

私が小中学生のころに出ていた舞台の映像を、私の母が娘たちに見せることがあるのですが“ママ、すごいじゃん”と言ってくれます(笑)。今の私が出ている作品よりも、娘たちと近い年齢のころの私のほうが響くみたいで。娘たちは、俳優や芸能の仕事は今のところ興味がないみたいですが、これからやりたいことを見つけたときには全力で応援してあげたいです」