親友との別れ
重圧で円形脱毛症を患うも、なんとか朝ドラの撮影を終えた三国。だが、自分の進む道を見失ってしまったという。
「父親の反対を押し切って大学に行ったので、復学しましたが、勉強や就職活動に身が入らず。役者として相談できる仲間もおらず、今後、何をすべきかわからなくなってしまいました」
大学卒業後も、俳優活動を続けた三国。26歳で結婚し、一時は家計を考えて企業に勤めたりもしたが─。
「『走らんか!』のディレクターさんの声がけで、'02年に単発のドラマに出演したのですが、脇役ということもあって、自由に演技ができた。主演でデビューした自分にとって新鮮な体験でした」
演技の楽しさに目覚めた三国。バイプレーヤーを目指し、舞台を中心に精力的に活動を始めた矢先、大きな別れを経験したという。
「役者になることが諦めきれず、社会人から役者になった親友がいたんです。なんとなく俳優を始めた自分とは正反対でした。彼とは“死ぬまで役者をしよう”と誓っていたのですが、事故で亡くなってしまって……。役者をやりたくてもできなかった彼のことを考えると、僕は役者を続けなきゃいけないんですよ」
その後、自ら劇団を立ち上げて、脚本や演出を手がけるなど、ますます演技にのめり込むようになった三国。プライベートでは、'17年に離婚を経験している。
「後悔だらけですが、今の自分が一番好きです。『走らんか!』でお世話になったスタッフさんや、舞台となった福岡県の方々にも、まだ恩返しできていません。今後もエキストラでも何でも俳優として活動を続けていきます!」
三国は今も役者道を走り続けている─。