'27年まで“現役続行”
夫は高橋幸治、長男は津川雅彦さんが演じた。
「おふたりとも大スターでした。ディレクターは“津川さんが出るとドラマが当たる”と言っていました。新人だった私の至らないところを支えてもらいました。撮影の後、津川さんは食事に誘ってくださって、すごく頼もしい“息子”でしたね。実際にはお兄さんでしたが(笑)」
樫山は18歳から80歳までを1人で演じた。
「カメラテストでディレクターがニコニコしながら“おばあさん役が一番よかったから決めた”なんて、20代の女性になんてこと言うんだと思ったけど、私が演じられるか心配だったんでしょうね。メイクは卵の白身を使ったり、パテにシワを彫ったり。そのまま本当のシワになってしまいそうでイヤでした」
“国民的女優”になった樫山は、数々のドラマや映画に出演。現在も劇団民藝の舞台に立ち続け、9月から『ミツバチとさくら』で主演することが決まっている。
「毎年、新作やるっていうチャレンジが、いつまでやれるかなと思いながら、来年と再来年まで決まっています」
'25年から『ローズのジレンマ』の全国ツアーが始まる。来年は約40ステージ。'27年まで“現役続行”宣言をしている。
「91歳の仲代達矢さん、90歳の草笛光子さんもお元気。私も頑張ろうかな」
樫山は『おはなはん』の6年後、『藍より青く』に出演。その後も『はっさい先生』『さくら』と、朝ドラに関わり続けている。今後も出演することはあるのか。
「オファーをいただければ出るわ。2月にNHKの『お別れホスピタル』というドラマに出ましたが、朝ドラはセリフをいっぱい覚えなきゃならないから大変だけど(笑)」
そう言いながらも元祖“国民的”朝ドラ女優の目が輝いているのは隠せない。