断捨離をするときは、整理するエリアのものを全部出して、種類と使用頻度に分けていくのがポイントだという。
60代を意識して断捨離できたら
「例えば今日はキッチンのシンク下と決めたら、収納しているすべてのものを出すんです。まずは鍋などの大物を、次に洗剤など細かいものを一度すべて出して種類別に分けて並べます。さらに使用頻度を、1・毎日、2・週に2、3回、3・2~3週間に1回、4・1か月に1回、5・1年に1回というレベルに分けて、5と完全に使わなくなったものは手放します。手放す決断ができなければ保留ボックスへ。
そして、残ったものを動線に沿った場所に種類別に収納。モノの定位置をつくって管理しています。この断捨離で使いきれていなかった鍋をだいぶ手放しましたし、ひと目で何があるかわかって余計なものを買わなくなりました」
50代以降の断捨離では“思い出の品”の処分に困っている人も多い。
「水漏れで汚れてしまったというのもあり、私と夫の子どものころのアルバムは処分しちゃってます(笑)。子どもたちも一緒に写っている家族写真はともかく、親自身の若いころの写真ってあまり見たいと思わないだろうし。夫は少し残したい派で、私の幼少期やおニャン子時代の写真を自分のものと一緒に何枚か取っているみたいですが」
反対に、子どもたちの思い出の品はすべて保管しているのだという。
「生まれて初めて切った髪から、哺乳瓶、幼稚園の制服、乳歯まで全部取っておいているんですけど、子どもたちが結婚したら、それを処分するかしないかを彼ら自身で判断してもらおうと思っています。必要ないと思ったら捨ててくれて構わないので」
昌樹さんが今年還暦を迎えることもあり、今後は、老後に向けて物量をダウンサイジングしていきたいという。
「仕事の衣装を含めて私の洋服が多いので最小限にしたいのと、キッチン周りも少し縮小できたら。私たちにもしものことがあったとき、残された子どもたちが処分していいのか迷ってしまうのもかわいそうなので、迷惑をかけないようにしておきたくて。後は、少しでも体力が多く残っているうちに、60代を意識して断捨離できたらなって」
美奈代さんのアドバイスで、昌樹さんも自室を断捨離した。
「なかば監視されながら断捨離しましたけどね(笑)。でも、かなりすっきりして生活しやすくなりました」(昌樹さん)
引き出しの中身など、こまごまとした収納には、100均や無印良品のアイテムを活用しているそう。
「戸棚や引き出しの大きさを測って、そこにぴったり合うボックスや仕切りなどの収納グッズを探すのが大好きなんです。よく利用するのは、ダイソーなどの100均や無印良品。調味料などの収納容器の色や形をきれいにそろえられるとうれしいし、キッチンに立つモチベーションが上がります」(美奈代さん、以下同)