「スポーツ関連の本は、かつて子どもたちが多かったころは多く借りられていたと思うのですが、熱海は高齢化が進んでいて、今はあまり借りられていないんです」(小林館長、以下同)
館長が語る“発見”時の様子
熱海といえば温泉を始めとする人気の観光地だが、同時に老人向け保健施設も多い。
「9月11日、ネットの動画から本棚を割り出して、本をチェックしてみたら、シワシワになった状態になっていました。とくに色はついておらず、臭いもそれほど感じられませんでした。清掃員からも報告はなかったです。通常どおりにゴミ拾いをして、片づけたのでしょう。お子さんがちょっと飲み物をこぼしたくらいに思ったのかもしれません」
9月11日の午後2時半、小林館長が警察に通報。すぐに鑑識も駆けつけて、午後6時ごろまで調書を作成し、翌12日の朝8時には逮捕の連絡があったという。
報道によると、犯行時期は7月下旬から9月中旬の間となっている。
「7月の最終金曜日には図書を整理するための休館日がありました。そのときは、こうした被害は確認できていませんでした」
ネットの投稿動画で被害に気づき、汚損された本が証拠となって、別事案で名前があがっていた容疑者に警察が接触して、緊急逮捕につながったようだ。
「こんなことは初めてなので、ビックリしています。こうした事件が、ほかの地域の図書館に“飛び火”しないでほしいですね。図書館の本は、税金から成り立っています。それを傷つけるような行為は、絶対にやめてほしい」
なぜ、このようなことをしたのか動機は不明だが、市民共有の財産を汚す行為は許されない。