‘03年、映画『ラストサムライ』の試写会で。左から真田広之、トム・クルーズ、渡辺謙
‘03年、映画『ラストサムライ』の試写会で。左から真田広之、トム・クルーズ、渡辺謙
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「で、監督がOKを出して。すると録音部のマイクをつけにくるお姉ちゃんから、”今の広之、よかったよ”って言われる。(真田は)それが嬉しいって言うんだよね。

 自分たちが(俳優を)始めたころに、同じように若いスタッフから“今のよかったよ、浩市。よかったよ、貴一”って言われると、なんかどこかで安心する。嬉しさって言うのがあって、それに支えられて次の日も頑張れるみたいなさ。

(真田と)どこまで同じ話とは言えないんだけど、そこでまたコイツは新しいことで(チャレンジしながら)、実は“自分の立脚点のところに、今もまだいるんだな。またいるんだな”って。それが偉いな。僕にはそんな研鑽は積めないな。そんな凄さがアイツにはあるんだと思います」

全編の7割が日本語で演じられる

 63歳になっても、俳優を志した頃と同じ気持ちでチャレンジをする、それを楽しむことができる。真田がアメリカで俳優を続けていられる理由とするのだった。

 非英語作品として初の『エミー賞』受賞作だけに、全編の7割が日本語によって物語が進められる『SHOGUN 将軍』。日本人が不得意とする部分を逆手にとった、あえての日本語によるチャレンジが功を奏した格好だ。

「本作は東洋と西洋が出会う夢のような、そしてとても難しいプロジェクトでしたが、私たちは一致団結してミラクルを起こすことができました。私たちはより良い未来を作ることができます。私を信じてくれて本当にありがとう」

 授賞式では、英語スピーチで「ミラクル」と語った真田だが、あきらめずに無骨にチャレンジし続けた、サムライ精神が「国境を越えた」作品を作り上げたのだろう。