25億円は戻って来るのか
この裁判のほかに、水原氏は大谷から“盗んだ”約25億円の返済や、所得申告漏れによる追徴課税、約1億6000万円を支払う必要がある。
「水原氏が刑期を終えてから日本へ強制送還される、されないにかかわらず、大谷選手にお金を返さなくてはいけないですし、税金も払わなければいけません。それは間違いないのですが、ないものは払えないというのも現実。水原氏がアメリカにいる場合は、日本の国税庁に相当するIRSが州の法律に基づいて、裁判をして水原氏の給料などを差し押さえることができます」(樋口弁護士、以下同)
一方、水原被告が強制送還になった場合は事情が異なるようだ。
「民事事件の判決は、その国内でしか基本的に有効ではありません。水原氏が日本にいる場合、日本の法律に基づいて給料などの差し押さえを行わなければならず、そのための手続きが大変なため、回収は難しくなります」
大谷にとっても盗まれた25億円を取り戻すのは簡単ではないようだ。
「大谷選手の場合、水原氏が日本にいても、日本で裁判を起こして水原氏の給料などを差し押さえることはできます。ただ、訴えることでまた騒動になることを考慮すると、大谷選手が訴えないということも十分に考えられます」
悲願の地区優勝の裏で進んでいる水原被告の裁判。刑事罰は免れないが、裏切った大谷への返済をせずに逃げ切るのだろうか。