犯人逮捕に協力して感じたこと
いろいろな意味で注目を集めた今回の報道。犯人逮捕に協力した背景には、ある意外な理由があるそうだ。当事者である梁さん本人に事情を聞いた。
「その日、どうしても届けなくてはならない荷物があって。店員さんがいなくなったら困ると思ったときにはもう体が動いていました。ただ、犯人に腕を噛まれたときは、ほかに凶器を持っていたらどうしようとか、もし報復があったらどうしようと、少し不安になりました。噛まれた傷は、今はだいぶ良くなりました」
華麗なヘッドロックを決めた梁さんだが、武道の経験はないという。ただ、趣味が功を奏したそうで……!?
「私はアニメが大好きなんです。特に『HUNTER×HUNTER』や『名探偵コナン』にハマっていたのですが、よく敵を制圧するシーンが描かれるので、それを参考にしたんです。ヘッドロックをしようと意識したのではなく、相手が身動きを取れないようにするために取った行動が結果的にヘッドロックでした(笑)」
この経験を通じて、梁さんは考えたことがあったそう。
「私は新入社員なので、有給休暇がまだあまりとれないんです。逮捕に協力した当日は取り調べもあって、家に帰ったのは深夜0時過ぎでした。その日は仕事のある日でしたから、半休を取ることになったんです。誰かが犯罪に巻き込まれる場に遭遇する可能性は誰しもあると思います。そんなときに有給休暇を使うか、見捨てるかの二択になってしまうのは残念だなと。生理休暇や誕生日休暇など、いろいろなニーズに応える休暇が増えていますから、こうした事態が起こったとき、無給でも休暇が取れるようになればいいと思います」
今後は半休ではなく“逮捕協力休暇”という選択肢ができることを願う。