「ユニクロでズボン買ってきたの〜」

 '83年に結婚。'86年の衆院選で初当選以降、連続12回の当選を支えてきた。2女に恵まれたが、今はいずれも東京暮らしで、鳥取に残ったのは佳子さんだけ。'18年の総裁選では、佳子さんが投票を呼びかける動画が大反響。東京・銀座で街頭演説に立ったこともある。強面のイメージが強い石破氏にメガネをすすめたり、眉を整えるなど柔らかい表情の演出に余念がなかった。

 選挙戦では、小柄で細身ながらパワフルな立ち回り。

夫と街頭演説に立つ石破佳子さん(2018年の党総裁選、東京・銀座で)
夫と街頭演説に立つ石破佳子さん(2018年の党総裁選、東京・銀座で)
【写真】「首相より人気」石破氏がベタ惚れする妻・佳子さん

選挙カーの車内から“あっ、あそこに人がいる!”と有権者を見つけ、降りて駆け寄ってビラを渡すんです。朝8時から夜8時まで、ずっとその調子。周囲が心配して“今日は早めに車を降りてはいかがですか”と促すほどです」

 と地元の後援会関係者。

 先の総裁選では、逆転勝利が信じられなかったのか頬をつねってみせたしぐさが、愛嬌があると話題を呼んだ。普段からケラケラと朗らかに笑うといい、地元では「気さくで話しやすい人」と評される。

「お嬢さま育ちといっても着飾らないし、有名ブランドの高額な服やバッグなんて持っていないと思いますよ。過去の遊説中、急に冷え込んできたときは“ユニクロでズボン買ってきたの〜”と厚手の黒いスラックスにはき替えて満足げでした」(同・関係者)

 石破夫妻と30年以上親交のある自民党鳥取県連副会長で鳥取市議の上杉栄一氏(77)は「石破が総理になったのはうれしいが、佳子さんの頑張りが実を結んだことのほうがうれしい」と言う。

「裏表がないし偉ぶることもない。話に嫌味がないからすっきりするんだ。人気を当て込んで、次の参院選は佳子さんに出てもらおうかと話したら、石破から“それは勘弁してくれ”と言われてしまった。鳥取に来て戸惑ったこともあると思うが、自分から地元住民に飛び込んで、すぐに溶け込んだ。ある会合に代理出席したとき、帰りはタクシーを呼ばない。自宅まで2kmほどの道のりだったら歩いて帰るって。石破の評判はいろいろあっても、佳子さんの評判や人気は変わらない」(上杉氏)