SNSで発信し続ける意味
痛みの恐怖もアンナさんを襲った。
「抗がん剤を投与するため、胸元に静脈カテーテルの一種、CVポートを埋め込む手術をするのに4cm切ったんですが、それだけで大騒ぎしましたから。先生からはどうメスを入れるか、詳しく聞いているのですが今まで経験のないことですし、手術したあとに麻酔が切れたらどうなるか……もう心配で。だいたいのことには我慢強いんだけど、痛みには弱いかな」
「父は何十年もがんと闘っていたし、梅宮家は祖父や叔母もがん。知識があったので告知を受けたときにパニックを起こすことはありませんでした。でも多くのひとは動揺すると思う。周囲からの見る目が変わって腫れもの扱いされたり、職場で理不尽な扱いを受けることもあると聞きます。社会が少しずつ変わっていけばいいな……そんな思いで私は自分の病気をSNSなどでオープンにしていけたらと」
闘病公表後、SNSでコメントをもらったり、街中で声を掛けられることも多くなった。
「でも『私の知人も治ったので大丈夫』『○○をとったほうがいい』といった言葉には……ちょっとモヤモヤした気持ちになることもありますね。もちろん励まそうと思ってのことだというのはわかりますし、ありがたいです。ただ、がんは症状も進度も患者さんによって全然違います。これをしたら絶対治る、というのもないですし……治療中の人にとっては励ましの言葉だとしても、プレッシャーになるケースも。もし身近に病気と闘っている人がいたら、言葉のかけ方を少しだけ考えてもらえたらなと思います」
そして「病気の方たちと一緒に頑張っていきたい。私も手術、その先と、必ず乗り越えていきます」と力強い言葉で締めくくった。
梅宮アンナ●1972年生まれ。モデル・タレント。父は俳優の故・梅宮辰夫さん。20歳でファッションモデルとしてデビュー。シングルマザーとして仕事と子育てを両立。