佳子さまの心遣い
宮内庁OBで、皇室解説者の山下晋司さんは、地方公務での佳子さまの心遣いを、次のように分析する。
「佳子内親王殿下は日本工芸会の総裁ですから、工芸品制作者への思いが強いのでしょう。今回、訪問先の代表的な工芸品を身に着けておられたのは“制作者を励ましたい”というお気持ちからだと思います。
皇后陛下や上皇后陛下も、外国訪問の際はお召し物にその国の国旗の色を入れたり、国花をあしらった服飾品をお着けになるなどされて、相手国への敬意を表してこられました。佳子内親王殿下も、皇族としてそうした姿勢を踏襲しておられるのでしょう」
伝統工芸の普及に大きく貢献されている佳子さま。一方、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授はこうした状況に警鐘を鳴らす。
「佳子さまが市販製品を着用されることで、特定の商品やメーカーだけが得をするような構図は、皇族の行為として好ましいとはいえないでしょう。公務での装いには、国民の象徴としての配慮が必要です。たびたび市販製品が話題になることは、皇室の品位を落とすことにもなりかねません」
また、“佳子さま売れ”には隠されたリスクもあるそう。
「昨今、“佳子さまが身に着けられた商品は売れる”という認識が広がりつつあります。そんな中、今後も公務の場で市販製品を身に着ける路線を継続された場合、各社は佳子さまを広告塔として利用することも考えるようになるかもしれません」(小田部名誉教授)