そこで、美容皮膚科の診療を行っている『銀座プラタナクリニック』のコッツフォード良枝院長に、美容目的での薬の内服について話を聞いた。
「昔は保険診療で処方している病院もあったと聞きますが、今は“自費”でお出ししているところが多いと思います。おそらく、ダレノガレさんも自費で購入しているのではないでしょうか。当院でも、医師が診察をしたうえで自費での処方を行っています。また、SNSで情報を見て“この薬をください”と求める方がいますが、“タバコを吸っていないか”とか、“ほかにお薬を飲んでいないか”“合併症がないか”などを必ず医師が確認しています。ご希望があっても具体的な症状がなければ、日焼け止めを塗るなど、日常での予防策をお伝えして、薬の処方はしないという場合もあります」(コッツフォード院長、以下同)
服用によっては血栓リスクの上昇も
多くの指摘があった『トラネキサム酸』については、
「風邪のときによく処方される喉の炎症を抑えてくれる薬で、肝斑(かんぱん)の症状がある方にも効果的なのですが、そういった症状が何もないのに美容目的で飲む薬ではありません。血を固めやすくする作用があり、タバコを吸っている方や、婦人科系のホルモン系の薬を飲んでいる方は、血栓リスクが少し上がってしまいます。なので、そういう方はあまり飲まないほうがよいと思います。また、やみくもに長期間飲み続けると、血栓リスクも上がってきてしまうので、定期的に診察を受けて休薬期間を挟みながら飲む必要があるでしょう」
ネット上で声があがった“品不足”についても聞くと、
「一時、入手が困難だった時期がありましたが、保険診療への供給は止まっていなかったと聞いております。保険診療を優先するために、美容目的の自費での処方には出荷制限が出ており、当院でも1年半ほど入手できなかったので、市販のお薬をご提案していました。『トラネキサム酸』は風邪などの喉の痛みにはすごくいい薬なので、美容目的ですべて消費してしまうのは、よくないことだと思っています」