同マンションの女性住人は、

「そんなイヤらしいことをする人が住んでいるとは思いませんでした。勝手に忍び込んで、こっそり下着をいじるなんて気持ち悪い。被害に遭われた女性の心中を考えると、逮捕されてよかったです。このあたりで不審事案発生の情報はありません。裏切られた容疑者の家族もかわいそうですよね」

 と眉をひそめる。

 週2回ペースの“寄り道”のアリバイ工作など、家庭内で不審な様子はなかったか。容疑者宅のインターホンを押して取材を申し込むと、女性が出て一拍、間をあけた後、

「申し訳ありませんが、お帰りください」

 とだけ言ってインターホンを切った。

どうやって部下の自宅住所を知り得たのか

 合鍵も簡単には作成できないはず。被害女性宅の鍵の型取りをしても、元鍵もスペアキーもなく型だけから複製するのは、業者が防犯上の理由などから受けなかったり、身分確認を求めることもあるという。

 仮に自作できる技術があったとしても、部下の自宅住所は個人情報にあたるためアクセスできる権限者は限られるはずだ。

 勤務先の日産自動車に「鈴木容疑者は女性部下宅の住所を知り得る立場にあったのか」と質問すると、

「お答えできません」(広報部、以下同)

 と回答。

 鈴木容疑者の役職や入社年、処分の検討、勤務評価などについても質問したが、いずれも答えられないという。

「従業員が逮捕されたことはたいへん遺憾です。警察の捜査には全面的に協力してまいります」

 と話すのみだった。

 住所を調べ、合鍵をつくり、留守を狙い、さまざまな手段で欲望を満たす。トンデモ上司と言わざるを得ない