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ー 《重大なコンプライアンス違反》

 11月7日に投開票が行われた兵庫県知事選では、事前の予想を覆し斎藤元彦氏が再選を果たした。斎藤氏は“おねだり”や“パワハラ”が報じられており、そのイメージからか選挙序盤は劣勢であった。巻き返しの要因となったのがネットだったと語るのは政治ジャーナリストだ。

「報道とは真逆の、斎藤知事は『悪くない』『実はいい人』といった動画が拡散され、これが多くの県民の共感を得て再選に繋がりました。この流れは草の根的に生まれたと見られていましたが、実は戦略的なものだったと明らかになります」

 当選後の11月20日にPRを行う株式会社merchuの代表取締役を務める折田楓(おりたかえで)氏が『note』に《兵庫県知事選挙における戦略的広報》と題した記事をアップ。選挙戦で「広報全般を任された」と明かした。それは斎藤氏のイメージ回復も含まれるものだろう。トップには斎藤氏との2ショット写真も掲載されている。

《重大なコンプライアンス違反》

 この内容が大炎上してしまったと前出の政治ジャーナリストが続ける。

「斎藤知事はポスター製作として70万円支払ったことを認めましたが、もし広報の仕事も請け負っていた場合、公職選挙法に抵触するおそれがあるのです。折田氏は現在までnoteの記事は削除していませんが、内容を逐次、無難なものに書き換えており、ネットウォッチャー注目の的となっています」

斎藤元彦知事の選挙広報を手掛けたという株式会社merchuの代表取締役・折田楓氏(本人のインスタグラムより)
斎藤元彦知事の選挙広報を手掛けたという株式会社merchuの代表取締役・折田楓氏(本人のインスタグラムより)

 さらにネット上では、自分の手がけた仕事をアピールする折田氏の姿勢に対する疑問の声も相次いでいる。

《折田さんの承認欲求がここまで斎藤知事を追い詰めるとは》
《何でもペラペラ喋ってしまうあたり、承認欲求強すぎて怖い…斎藤
知事もこんな人と関わったこと後悔してるだろうな…》
《これ相当なやらかしでは……優秀な人だろうに承認欲求は人を狂わせるのか》

 このほかにも《クライアントから受けた仕事の内容を公表することは重大なコンプライアンス違反》《選挙コンサルを使う政治家は山ほどいるけど、これからは誰もあなたには頼まないだろうよ》といった声も聞かれる。ここまで厳しい声が聞かれる理由を広告業界の関係者が指摘する。

「今回の炎上で彼女の過去の投稿も掘り起こされていますが、クライアント(依頼主)を交えた会議室の自撮り写真などがひんぱんにアップされています。そこでは、パソコン画面に映る内部資料が“丸見え”の状態となっており、こちらも守秘義務に反する可能性が指摘されています」

 折田氏は公職選挙法への抵触以前に、マナーやモラルのレベルの問題も無数に問われているだけに、炎上は当分止みそうにない。何より斎藤知事からの説明も求められるところだ。

【写真】斎藤知事の選挙カーにまで同乗しライブ配信をする折田氏
【写真】斎藤知事の選挙カーにまで同乗しライブ配信をする折田氏