肌もボロボロで髪も抜け、目には黄疸の症状が出ていたという。そんなブルさんの目を覚まさせたのは、その10年前に結婚した、15歳年下の夫・大輔さんだった。
問答無用で病院へ
「夫が『今日は絶対に病院に行こう』と、病院の予約をしてくれても、ずっとキャンセルしていたんです。でも、私のお腹が異常に膨らんでいるのを見て、問答無用で病院に連れて行かれ、即、手術に。腹水がたまっていたんです」
2か月近く入院すると、体調が徐々に戻っていった。
「ずっとハードな生活をしていましたから。看護師さんから『とにかく食べてください』って言われるんですが、胃を切ってるから食べられない。回復しても衰弱していくので困りましたが、病院にいる分、気は楽でした」
退院後は、大好きだったお酒も飲まずに食生活にも気をつけるようになった。今は55kgの体重をキープしている。
「食事の量も増えて、今はラーメンを半分くらいは食べられるようになりました。あとは冷凍食品やフライドポテト、好きだったスナック菓子を控えるように。自炊するときはなるべく炭水化物はとらないようにして、肉や魚を中心に食べています」
近年は海外のプロレスファンとの交流のため、日本を離れることも多い。
「プロレスに育ててもらってきたので、恩返しの意味も込めてこれからもプロレスに関わっていきたいですね。欧米で行われるサイン会や撮影会に呼ばれると、夫と2人で渡航。海外に進出したい日本のレスラーの支援もしています。あとは、例えば七輪で魚を焼くとか、夫と普通のことを楽しめたら十分幸せですね」
取材・文/池森りぜね
ぶる・なかの 中学卒業後、プロレスラーに。極悪同盟に加入し、ヒールのレスラーとして人気を得た。今年、日本人女性で唯一、世界最大のプロレス団体WWEの殿堂入りを果たす。現在はブッカーとしてレスラーの海外遠征の支援を行っている。