皇室の外国訪問
皇室の外国訪問はどのように決まるのか。宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司さんによると、
「公式訪問の場合、最終的には先方国から日本政府に正式な招請が来ます。通常、その段階でどなたに行っていただくかはすでに決まっています。そこに至るまでに両国間で水面下の協議が行われているからですが、その内容は公表されないのが普通です。
先方国の希望を踏まえて、外務省は宮内庁と相談し、どなたに行っていただくかを政府として決定しますので、先方国の希望と変わる可能性は当然あります。今回の場合、トルコから秋篠宮同妃両殿下への招請があったわけですが、当初からトルコ側が秋篠宮同妃両殿下の訪問を希望していたのかどうかはわかりません」
皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、今回のトルコ訪問を踏まえたうえで、国内にも目を向け、次のように語る。
「能登半島地震の復興など、国内の難題は山積みの中、トルコを訪問する意味はどれほどあったのでしょうか。むしろ、悠仁さまの大学受験の大事な時期にもかかわらず、ご両親が国内を離れるというのは受験生を持つ一般国民からすれば、不思議に感じられたと思います。トルコ訪問の現代的かつ積極的な意義と、それを秋篠宮ご夫妻が担うことの意味をもっと丁寧に説明するべきだったと感じています」
次期皇后として、雅子さまに負けじと積極的に“外交”を進める紀子さまだが、落とし穴もある。
「紀子さまが雅子さまを意識されている印象は強いです。雅子さまは語学力も社交力もおありなので、負けたくないというお気持ちは一部理解できます。しかし競争心が目立ってしまうと、国民の目には不自然に映り、かえって紀子さまへの国民のイメージを悪くしてしまう危険性をはらんでいると思います」(小田部教授)
国内外に自身をアピールする紀子さまが、次期皇后の“呪縛”から解放される日は訪れるのだろうか。