メリットともに危険性も
もともとマイナンバーカードの取得は任意で、そのカードに保険証を紐づけすることは国からのゴリ押しといった批判の声も上がった制度。その保有率は75・7%だが、10月に保険証と紐づけて利用した人は15・67%と低迷している。
「国のHPや広報物には大きな文字で“マイナ保険証を登録してください”など、強制と取られかねない言葉が並ぶ中、利用解除については小さい文字で簡潔に書かれていることが多い。“ゴリ押し”といわれても仕方ないです。
私たちの協会では、HPに保険証の期限や資格確認書について、またマイナ保険証の登録解除について説明していますし、協会に加盟している都内6000の医療機関の待合室には、ポスターを張るなどして周知させていただいています」
今のままでは医療現場や自治体に、今以上の混乱が広がると協会のスタッフは話す。平将明デジタル大臣は、
「従来の健康保険証はICチップも顔写真もなく、不正を働こうとする人からみると非常につけ込むスキのある仕組み。この穴をふさぎたいという思いがまずある」
と語り、医療サービスの向上につながるという従来の説明を繰り返したが……。
「国は患者さんの診療情報を含め、メリットがあると説明していますが、それ以上にデータベースが集約されるという危険性もはらんでいます。マイナ保険証の利用率が低迷している中、国民の意思を無視して現行の保険証の新規発行を停止するのは問題があるのではないでしょうか」(前出・東京保険医協会スタッフ)
保険証をめぐるドタバタは、まだまだ続きそうだ。