あるときには“隊長”の火野さんから“ナンパ”の手伝いを指示された。
「私と仲のいい女優さんを正平さんが気に入ったのか、“100万円あげるから連絡先を聞いてきてくれ”と言われました。その女優さんに確認したら“100万円もらえるなら私が直接教えに行く!”と言い残して行ってしまいました。結局、正平さんとウワサにならなかったので、本当に教えたのか怪しいですね(笑)。私は正平さんと仲がよかったですが口説かれることはなかった。あるとき“私のことは口説いたことないね”と言ったら“おまえはちゃうねん”と。兄妹のような感じでしたね」(立花、以下同)
世界でいちばん芝居がうまい
そんな自由気ままな火野さんも役者として芝居に真摯に向き合っていた。
「私は世界でいちばん芝居がうまいのは正平さんだと思っています。家に伺ったときに部屋の中に本がずらっと平積みになっていて驚きました。私も本を読むほうだと思っていましたが、レベルが違う。役者はそれくらい本を読んで勉強しないといけないんだなと感じましたね」
ここ最近は会えていなかった中での訃報だった。
「何年か前に携帯電話が水没して、連絡先が消えてしまいました。テレビを見ていると元気そうだったので“また、いつでも会える”と思っていたのですが……。正平さんは親友であり、兄であり、父であり、先生。本当にカッコいい人でした。本人には一度も言ったことないですが(笑)」
元祖色男は“女性の敵”ではなく、みんなから愛される存在だった。