朝まで熟睡できたことがない

 投薬を始めたものの、完治とはならず。一晩で3、4回トイレに起きるのは当たり前、ここ数十年、朝まで熟睡できた覚えがないというからつらい。

「冷たいものが飲めなくなって。最近はコンビニで白湯(さゆ)が売っているので、それを飲むようにしています。カフェインの入ってるコーヒー、紅茶、日本茶も基本的に飲みません。スタバに行ってもノンカフェインのデカフェを注文したりしてね」

 医者や薬を頼っても、不調のすべてが解消されるわけではない。調子のいい日もあれば、ダメな日もある。

 更年期障害の発症から30年以上がたち、不調との付き合い方も自分なりに見いだしてきた。その一つが運動で、ジム通いのほか、ウォーキングとラジオ体操を習慣にする。

「ウォーキングは週に3日で、大体1時間くらい歩いています。ラジオ体操は近所の公園で朝6時半からやっていて、いつも200人くらい集まってきますね。おじいさん、おばあさんたちと仲よくなって、よく健康についてみんなと情報交換してますよ(笑)」

2024年11月、股関節の血流をよくする体操を続けているというテリー伊藤(撮影/佐藤靖彦)
2024年11月、股関節の血流をよくする体操を続けているというテリー伊藤(撮影/佐藤靖彦)
【写真】空手の稽古で教えてもらった股関節の血流をよくする体操

 さらに7年前に極真空手に入門。多忙なスケジュールの合間を縫い、週1回のペースで道場に通う。意外にも、空手の稽古は更年期障害の改善に役立ったそう。

「空手に行ったら、みんなで腰をぐるぐる回してベリーダンスみたいなセクシーな動きをしているんです。股関節の辺りを動かすと血流がよくなるから、頻尿対策にもよくて」

 食生活の改善にも取り組んでいる。これは体調はもちろん、体形維持にもつながった。

「といってもそんな大げさなものではなくて、朝はまずトマトで、夜はタンパク質をとるように意識しているくらい。60歳を過ぎたら腹七分で、贅沢はしないこと。高級店なんてまず行かないですよ。

 あとは普通の食生活をしていればいい。例えば秋刀魚が美味しい季節だったら、秋刀魚を食べたりして。やっぱり日々の自分の努力だと思う。おかげで61キログラムをキープしています。でも甘い物は食べちゃう。好きだから、こればかりは誘惑に負けちゃうんだよね(笑)