「ペーパーブリーフ」って、ちょっとカッコよくない?
日々、対策はしつつも、不調との共存は続く。とりわけ頻尿の不安は大きく、試行錯誤を繰り返してきた。その結果、たどり着いた秘策が─。
「紙おむつ! これをぜひみんなに推奨したいんだよね」
尿漏れ対策の薄型タイプで、日ごろから愛用していると話す。
「ロケに行って高速道路を1時間も2時間も走っていると、やっぱりトイレに行きたくなっちゃうじゃないですか。渋滞に引っかかったりしたらもう大変。それが嫌だから、保険の意味で、紙おむつをはくようにしています。不安じゃないってすごく大事なことだと思うから。
今どきの紙おむつは見た目も優れていて、スポーツジムの更衣室でうろうろしててもわからないくらい。でも紙おむつっていう言葉はあまり好きじゃないから、自分はペーパーブリーフって言ってます。ペーパーブリーフって、なんだかちょっとカッコいいじゃない?」
女性の更年期に比べ、男性の更年期の認知はいまなお低い。男性更年期障害に悩む男性は多くとも、その大半が口にできずに一人で抱えているという。
周囲の理解も必要だ。例えば、自分の夫が更年期障害を発症したら、妻はどう接すればいいのだろう。
「夫の前で“あなた更年期障害になっちゃったの?”なんて追い込んでいかないこと。更年期になっちゃったんだと悲観的になるのではなくて、年なんだから当たり前だと受け止める。
一緒に歩いたりするのもいいと思う。“運動不足だから歩いてきなさいよ”って言ってもきっと歩かないから、“じゃあ一緒に歩きましょうよ”と誘ったりしてね」
メディアを通して自身の経験を発信し、男性更年期の浸透に貢献してきた。そこで救われた男性は少なくないはず。
「男性更年期障害って恥ずかしいことではなくて、それを受け止め、どう生きるか。治るのがベストなんだけど、治らないことも当然ある。治らないってすごく強い言葉だけど、誰しも年を取れば起こることだから、それをどう乗りこなしていくかということを考えていけたらいいですよね。
何でもそうだけど、後ろを振り返って、過去の自分の栄光の日々をいつまでも追いかけていてもしょうがない。これからどう楽しく生きるかを考えていく。考え方次第で、面白く生きられる方法があるってことだと思うんだよね」
テリー伊藤●1949年、東京都生まれ。演出家。日本大学卒業後、テレビ制作会社に入社。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』『ねるとん紅鯨団』などのヒット番組を手がける。独立して『浅草橋ヤング洋品店』を総合演出。テレビ番組のコメンテーターとしても活躍。『お笑い北朝鮮』など著書も多数。
取材・文/小野寺悦子